ついに大阪・関西万博も残すところ1ヶ月を切りましたが、大盛況ですね!
なかなか入場予約が取れない方や、実際訪れて万博への興味が増した方へ、大阪吹田の万博記念公園にある「EXPO’70パビリオン」はいかがでしょうか?
「EXPO’70パビリオン」は1970年に大阪で開催された「日本万国博覧会」のパビリオンである「鉄鋼館」を再利用しており、外側はほとんど当時のままなんです!エモい!

館内は70年万博の紹介映像や数々の記録の展示等があり、当時の盛り上がりがこれでもか!というくらいに伝わってきます!
もともと私たちは今回の大阪・関西万博へ行く前に予習しようと思ってこちらを訪れたのですが、大阪・関西万博を訪れた後振り返ると、もう一度今見たい展示がありすぎるので万博ロスの方にもおすすめです!
所要時間と観覧料
旧鉄鋼館(本館)と別館の展示があり、展示点数は合わせて約110品目、約3,300点とのこと。
割とゆっくり展示を楽しみ、所要時間としては後述する企画展含め、4時間かかりました(笑)



そんなに長くいたつもりなかったんですが…見どころたくさんでした!
このときの観覧料は以下の通りです。


別館には太陽の塔の初代黄金の顔が展示されており、2階から写真を撮るためにはレンタルのスマートフォンケースが必要(500円)となります。




黄金の顔の撮影に関しては撮影制限エリアの左右や1Fからでもしっかり写真が撮れるため、EXPO’70パビリオンでの利用のみの人はレンタルは不要かなと思います。(後の記事に写真載せています)
常設展示
特に印象に残った展示を、順路順に紹介していきます!


万国博の歴史
階段を上がって最初のエリアでは部屋の中心に当時の万博のジオラマがあり、壁に今までの世界各地での万博開催の歴史紹介があります。




万国博の始まりは1851年のロンドン万博で、日本は1867年のパリ万博に初参加しました。



このとき日本は開国直後の江戸時代!江戸幕府・薩摩藩・佐賀藩がそれぞれ独立して出展したそう。



漆器などの工芸品や浮世絵といった日本の文化が話題になって「ジャポニスム」が人気になりました!
そしてついに1970年、「人類の進歩と調和」をテーマにアジアで初めてとなる「日本国際万国博覧会」が大阪千里で開催されました。
もともと万博は技術や文化の展示がメインでしたが、徐々に国際交流やSDGsといった地球規模の課題を扱う場へと時代に合わせて変化しているようです。
史上最大のプロジェクト、始動!
高度経済成長の総仕上げとして発進した日本万国博覧会!開催に向けた準備の記録が展示されています。


公式ポスターです。桜をかたどった5つの花びらは世界の5大州を、中央の円は日の丸を表しているデザインだそう。



70年万博はデザイン性があって素敵だし、今回の大阪・関西万博は大屋根リングのライティングがすごくかっこいい!




当時の入場券の販売やガイドブックなども。物価が安い!!今回は1日券が7500円なので10倍弱上がりましたね…涙




空前絶後の記録づくし


総入場者数は約6,422万人で、2010年の上海万博(約7,308万人)までは国際博覧会史上最高の記録だったそうです。



いけいけドンドンの時代だ!笑



今はテーマパークやSNS、サブスクなど娯楽の種類も増えて興味が分散されているからこのときくらいの勢いはなかなか難しいだろうね~
1日最大入場者数は83万5,832人(9/5)!今回の大阪万博は最大23万人くらい(入場制限あり)に比べるととんでもない人数!
大阪・関西万博と比べて万博会場は約2倍広いとはいえ、今の比にならないくらい混雑していたんでしょう…!
人数が多いと迷い子(4万8,139人)も増える、尋ね人(12万5,778人)は大人の迷子かな?(大人多いな)
子供には迷い子ワッペンが配られ、番号からコンピューターで照合できるようになっていたそう。


拾得金48,924,577円って4892万ってこと!?皆お金落としすぎじゃない!??物価も安いのに!



大阪・関西万博会場は全面的にキャッシュレスなのであまり拾得金はなさそうですね~
気になる出産1人。万博内の休憩所におられるときに産気づき、無事に病院で出産されたとのこと。


入館者数のベスト10も紹介されています。ソ連館は宇宙船「ソユーズ」の展示が評判だったようです。
6400万人の実験都市


外国展示地区・国内展示地区・日本庭園・お祭り広場・シンボルゾーン・エキスポランドなど区分分けを示した地図です。
- 美しい展示館から未来が生まれる
- 清流が緑にはえる日本庭園
- 東西の美術品を一堂にあつめる万国博美術館
- 万国博ホールや水上ステージでは豪華なショーが
- 太陽の塔を中心に展開されるテーマ展示
- 3,000万人の感動を呼ぶお祭り広場
- 会場の幹となるシンボル・ゾーン
- スリルと冒険の世界・エキスポランド
- 自動運転のモノレールや動く歩道で快適に
- 国際バザールで食べ歩きやショッピングリスト




各パビリオンの紹介パンフレットも展示されています。


パビリオン☆パビリオン
70年万博では118のパビリオンが出展し、そのうち国内では32団体が参加しました。
海外は76カ国、4国際機関が参加し、ハワイ州など都市の参加もあったようです。



参加国は前回の倍以上!世界が開かれてきた感じがするね!




各パビリオンの外観写真と説明書きが壁一面に展示されています。



今回の大阪万博にも出展している国だと見比べてみるのもおもしろそう!
◆近未来的なネオン通路を通って別館へ
このタイムワープするかのような通路を通って別館へ向かいます。


光の色もどんどん変わっていき写真映え抜群です!
「EXPO’70」デザイン新時代


当時ホステスと呼ばれた各パビリオンのコスチュームが展示されています。
どれもミニスカートで時代を感じますね~!
今回の大阪・関西万博のNTTパビリオンではPerfumeが70年万博のコスチュームをオマージュした衣装でパフォーマンスしていました!レトロでかわいかったです。






記念メダルや公式スタンプ帳の展示もあります。スタンプ帳は来場記念品で各パビリオンのカラー写真と解説も載っているそう!



各パビリオンのスタンプ集めが人気なところは昔も今も変わってないですね!
「人類の進歩と調和」1970年が見た近未来
日本館で展示されていたリニアモーターカーの模型や閉幕以来行方がわからなくなった「地底の太陽」の1/10模型が展示されています。




「地底の太陽」は2018年に資料をもとに再現され、今は太陽の塔内で見学することができます。(以下の記事で紹介)


リニアモーターカーも実現に向けて(まだかかりそうですが)動いていますし、「1970年が見た近未来」には確実に近づいていますね!


◆1Fに降りて「初代 黄金の顔」と対面
下に降りて黄金の顔を撮影するとこんな感じ。


これが万博開催期間に設置されていた「初代 黄金の顔」です。
風雨による劣化のおそれがあったため、スチールに亜鉛メッキをした鋼板に特殊フィルムを貼ったものから、ステンレス鋼に同フィルムを貼ったものへ二代目は交換されています。


また、二代目の眼はLEDライトですが、初代はキセノンライトだそうです。
◆中庭から再び本館へ
中庭を通って再び本館へ戻ります。




中庭には大屋根模型やEXPO’70のオブジェがあり写真撮影スポットとなっています。



オブジェ越しに太陽の塔も臨めて良い眺めですね!
体感する、人類の進歩と調和
70年万博のテーマである「人類の進歩と調和」を表現するテーマ展示は太陽の塔を中心に地下、地上、空中の3層にわたって構成されました。






太陽の塔周りの当時の様子を再現したミニチュア模型もあります。




世界の国からこんにちは
当時はまだ海外旅行も一般的ではなかったので、「お祭り広場」を中心に世界中から集まった一流アーティストのステージや民族舞踊はカルチャーショックだったそう。





インターネットやSNSがない時代、日常生活で海外の文化に触れることはなかなかないだろうしすごく衝撃だったんだろうな!
バックステージの1500人
万博成功を支えたスタッフの方々の紹介もあります。(オペレーションコントロールセンター・清掃管理センター・診療所・警備隊・消防署など)







当時も今回も裏方スタッフの方々の仕事ぶりに感謝!
国籍・言語問わず、誰が見ても案内・誘導・指示が理解できる「ピクトグラム」も採用されました。


ペーパークラフト(大阪万博会場模型 縮尺1/300)


これは「進太郎」さんというサラリーマンの方が作られた、ペーパークラフトの万博模型なのですが、細部まで忠実に再現されているそうでとても見ごたえがあります!!


1/300スケールということで、館内にある他のどの広場模型よりも大きく立体的なので、当時をイメージしやすい気がします。


建物探しのクイズもあるので、老若男女問わず楽しめるエリアです。



実物を見ると大きさ・緻密さに圧倒されると思います!ぜひ生で見てほしい展示です。
Made in EXPO’70 ~すべては万国博から
万博から広まったものや生まれたものもたくさんあります。


例えば日本電信電話公社(現NTT)が出展したワイヤレステレフォンは会場内や日本国内の端末同士で通話でき大人気となり携帯電話として普及しました。
食べ物では、異国情緒を感じさせパビリオン巡りの忙しい合間をぬって手早く食べられるファーストフードや、暑い会場内で冷えた缶コーヒーが飛ぶように売れたそう。
また、ブルガリアヨーグルトは明治の社員がブルガリア館で食べた本場のヨーグルトに衝撃を受け、開発したことからできあがった製品で、ブルガリア大使館との交渉の末「明治ブルガリアヨーグルト」の商品名で販売できたとか。



今回の大阪万博からは何が生まれるかな…?男性の日傘は確実に広まったと思う!折りたたみいすも流行ったね~
今も生き続ける万国博
閉幕後の万博跡地や各パビリオンの行方も紹介されています。
跡地は「緑に包まれた文化公園」を目指し、生物の多様性をはかるべく定期的に樹木の生育状況や土壌のモニタリングを行っています。現在緑の量としての森は実現しつつあるとのこと。


実際、万博記念公園は多くのパビリオンなどの建造物が並んでいたとは今や想像できないくらい自然豊かです。四季折々の植物を観に訪れるのもおすすめです!


パビリオン跡地には記念碑が埋め込まれ、ほとんどのパビリオンは解体されましたが一部は移築されたそうです。







今回の大阪万博ではパソナ館・オランダ館・ナウル共和国などの移設が発表されていますね!
特別展示~プレイバック1970 大阪万博と昭和レトロ~
ここまで常設展の展示を紹介してきましたが、1Fの受付前では特別展示が催されています。


訪問日のテーマは「プレイバック1970 大阪万博と昭和レトロ」だったので行ってみました!




当時の万博PRポスターです。学校に掲示する小学生向け?のポスターもわくわくさせる感じで良いですね!


万博思い出の品々…今回もピンバッジの交換やスタンプラリー、各パビリオンでのグッズ購入が盛んです。


当時太陽の塔は撤去される予定でしたが、幅広い年代からの要望により永久保存されることに。当時の様子や補強工事についての記録映像が鑑賞できました。



今回の大阪万博のシンボルである「大屋根リング」も保存を望む声が多く上がっていますが…どうなるでしょうか…!
現実的なことに目をつぶって良いならば、個人的には残してほしい~!
まとめ:展示が充実しすぎて所要時間4時間!前後の予定に注意を!



想像以上に見どころがたくさんでした!
現在開催されている大阪・関西万博は洗練されたスマートな未来を感じましたが、70年万博は高度経済成長の勢いが実感できます。



特に大阪・関西万博を訪れた人は、70年万博との比較もできるのでよりしっかりと魅入ってしまうんじゃないかな?
同じ日に太陽の塔の内部見学に行くと、より当時を感じられると思うので都合がつく方はぜひ!
今回の大阪・関西万博についても何らかの形で記念館を残してほしいと思うばかりのEXPO70’パビリオンでした。